ボトムアップとトップダウンの見積の得失

プロジェクトの見積もり方法には、ボトムアップとトップダウンという二方式があります。一般的に見積もりは項目ごとに算出したものを積上げて合計を出すというボトムアップが主流ですが、Web制作のようなプロジェクトではボトムアップはなじまないと言われています。そこで両方式のメリット・デメリットを考えてみましょう。ボトムアップは積上げ式が見積もりの基本と考えれば理にかなったものと言えますが、開発を含むような場合その工数算出が難しい、さらに詳細な工数積み上げゆえに各項目ごとの妥当性判断を要し時間がかかってしまうというデメリットがあります。一方トップダウンでは、全体のボリューム把握が適切であれば客観性は担保され、割合短期間で算出可能というメリットが考えられる反面、細部の検討を割愛した分リスクがあるというのがデメリットは否定できません。

見積書作成後の自己チェックなどの徹底

Web制作という依頼案件に対し、制作者側でまとめていく提案書や見積書といった提出書類は、受け取る相手の目線でその見易さなど考え作成するのも大事なことです。もちろん内容自体に誤解を与えるような言い回しや記載ミスなども同様で、そのためには見積書などでは、作成者の自己チェックはもちろんのこと、作成にかかわった人によるダブルチェックも考慮して日程をとっておくのが大切です。自己チェックにしても、ただやみくもにするのではなく、工数への表現がしずらい要素などの漏れが無いかどうか、積上げた金額とトップダウンで算出した金額や同程度の実績案件との比較などに加え、発注者からみた場合の見易さや内部関係者への説明のしやすさなど考慮して進めて行くのが大切とされています。

効果的なチェックで見積書の精度向上

Web制作プロジェクトに対する詳細見積書作成について、まとまった時点での作成者による自己チェックは大切です。さらに関係者一同会しての内容確認を主としたレビューは作成者の思い込みなどによるミス防止などいろいろな点で効果的です。このときテクニカルな面とビジネス的な面という二つの視点を意識して行うのが効果的とされています。ここでテクニカル面とは、見積もり算出時予定したやり方が技術的に問題ないものか、物理的に矛盾するような方法で見積もっていないかなどが挙げられるでしょう。ビジネス的な視点とは、成果物と発注者の要求とのズレは無いか、制作段階ばかりだけでなく運用段階でも妥当な見積もりがされているかなどが考えられます。このように複数の目でチェックを行うことが、見積書の精度を上げていく唯一の方法と言っていいのかもしれません。